目次
1. GPTs(標準モデル)
特徴
- 汎用性が高い
OpenAIが事前に膨大なデータでトレーニングした汎用的なAIモデルで、幅広いトピックに対応可能。 - 幅広い知識
インターネット上の情報(カットオフ時点まで)を基に、一般的な質問応答や生成が得意。 - ユーザー設定可能
モデルの「トーン」や「応答スタイル」をプロンプトや設定で調整可能(例: システムメッセージの活用)。 - APIでそのまま利用可能
標準のモデル(GPT-4やGPT-3.5)はすぐに利用でき、追加トレーニングを必要としない。
制約
- 特定分野には最適化されていない
汎用的であるがゆえに、特定の業界や用途にはやや不正確な場合がある。 - プロンプトの工夫が必要
応答を理想的な形にするには、詳細なプロンプト設計が求められる。
2. ファインチューニングされたモデル
特徴
- 特定のタスクや分野に最適化
独自のデータセットを使って既存のモデルを再トレーニングし、特定の業務や目的に特化。 - 一貫性のある応答
特定のスタイルやフォーマット、ドメイン知識に基づく応答が可能。 - プロンプトがシンプルで済む
特化した内容を学習しているため、細かいプロンプト設計が不要な場合が多い。
制約
- 追加のコストと手間
トレーニング用データの準備、クリーニング、ファインチューニング自体にコストがかかる。 - 柔軟性の低下
特化することで汎用性が失われる場合がある。例えば、特定の業界の質問には強いが、他分野では標準モデルに劣る可能性がある。
GPTsとファインチューニングの具体的な違い
項目 | GPTs(標準モデル) | ファインチューニングモデル |
---|---|---|
目的 | 幅広い汎用的な応答 | 特定タスクや分野への特化 |
使用準備 | そのまま利用可能 | データ準備とトレーニングが必要 |
カスタマイズ性 | プロンプトで調整可能 | 応答スタイルや知識を完全にカスタマイズ |
柔軟性 | 高い柔軟性を持つ | 特化する分、柔軟性が制限されることがある |
コスト | 利用コストのみ | トレーニング費用が追加 |
一貫性 | プロンプト次第で変動 | 特定フォーマットで安定した応答 |
GPTsをファインチューニングで補完するべきケース
- 特定の業界用語を多用するタスク(例: 医療、法律、エンジニアリング)。
- 一貫したスタイルやフォーマットが必要な文書生成。
- カスタマーサポートなど、特定のスクリプトやフローが必要な場面。
- 高度な精度が求められるユースケース(例: 製品マニュアル作成、専門家向けコンテンツ生成)。
GPTsの進化によるファインチューニングの変化
最近では、GPTs自体の設定やカスタマイズ機能が向上しており、ファインチューニングなしでも多くの特化したユースケースに対応可能になっています。ただし、以下のような高度なカスタマイズが必要な場合は依然としてファインチューニングが有効です:
- 大量のドメイン特化データを使用する場合。
- 一般モデルでは対応できない特定の業務プロセスがある場合。