【動画まとめ】宮田昇始氏が語る、お金との向き合い方:2度の起業経験から学ぶ資金戦略

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スタートアップの世界で成功を収めるには、優れた製品やサービスだけでなく、お金との賢明な付き合い方も重要です。SmartHRの創業者であり、現在Nstockを立ち上げている宮田昇始氏の経験から、スタートアップにおける資金戦略について探ってみましょう。

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引用元:https://www.youtube.com/watch?v=E4k2Zc4fZ1c

1. 初期創業時の資金繰り:極限の状況

多くのスタートアップ創業者にとって、初期の資金繰りは非常に厳しいものです。
宮田氏もSmartHR創業時に同様の経験をしています。

「スマートHRの初期だと役員報酬25万とかでやってたんですよ。
月毎月の支払いとかも結構カツカツで、スプレッドシートつけてて今月娘の幼稚園の引き落としギリ間に合うかみたいな感じでした。」

この状況は、多くの創業者にとって身につまされる話でしょう。
家計と会社の資金繰りの両立は、創業初期の大きな課題の一つです。

2. 転機:シリーズCでの株式売却

SmartHRの成長に伴い、シリーズCの資金調達時に宮田氏は株式の一部を売却する機会を得ました。

「シリーズCのタイミングでセカンダリーで一部売却をして株を換金ができたんですけど。大体、当時の時価評価額で1億円分ぐらいを売却してます。」

この経験は、宮田氏のお金に対する考え方を大きく変えるきっかけとなりました。

3. 2回目の創業:新たな金銭感覚

Nstockを立ち上げる際、宮田氏はSmartHRでの経験を活かし、お金との向き合い方を変えています。

「お金にマインドシェアを取られなくなったなってのが一番大きいですね。」

適切な報酬を得ることの重要性について、宮田氏は次のように強調しています:

「ちゃんとそのなんて言ったらでしょう、お金にマインドシェアを取られないぐらいにはもらった方がいいよみたいになってきてる。」

4. PMF前後での報酬の考え方

宮田氏は、プロダクト・マーケット・フィット(PMF)の前後で、報酬に対する考え方を変える必要があると指摘しています。

「PMF前ってその何回もトライする可能性があるじゃないですか。てなったら会社を延命できた方がいいんで、まあの本当にできればあのなるべく控えめの役員報酬の方があのチャレンジできる回数は増えるんですよね。一方でPMFした後だったらそのお金にマインドシェア取られめちゃめちゃもったいないんで、しっかり役員報酬あのマインドシェア取られないぐらいにはもらってた方がいいと思ってます。」

この考え方は、多くのスタートアップ創業者にとって参考になるでしょう。PMF前は倹約モードで挑戦の機会を増やし、PMF後は適切な報酬で集中力を維持する。この戦略は、長期的な成功につながる可能性が高いと言えます。

5. ストックオプションと創業メンバーのエグジット

宮田氏は、日本のスタートアップにおけるストックオプションの課題についても言及しています。

「これまで日本のストックオプションってIPOをしないと行使できないみたいな感じだったんです。
今スタートがIPOする前の平均って12年ぐらいあって、で日本ではなぜか法制上SOの権利確定ベスティングがIPOしてからその時計が進み始めるみたいな感じで。」

この状況を改善するために、Nstockでは次のような取り組みを行っています:

「Nstockはスタートアップのストックオプションのルールの法制を変えましょうっていうのもやってますし、もう1つが実際にその行使する機会を提供するセカンダリーマーケットみたいなものを作ろうとしてます。」

これにより、創業メンバーや初期メンバーがより早くエグジットの機会を得られるようになることが期待されます。

まとめ:スタートアップにおける金銭戦略

宮田氏の2度の創業経験から、スタートアップにおける金銭戦略について以下のポイントが浮かび上がります:

  1. 創業初期は倹約を心がけ、可能な限り長く挑戦できる環境を作る
  2. PMF後は適切な報酬を得て、経営に集中できる環境を整える
  3. シリーズC等の大型資金調達時には、創業者自身の金銭的安定も考慮する
  4. ストックオプションや従業員のエグジット機会の改善は、長期的な人材確保に重要
  5. お金に過度に囚われず、ビジネスの本質に集中できる状態を目指す

これらの知見は、スタートアップを成功に導く上で貴重な指針となるでしょう。創業者一人一人が、自社の状況に応じてこれらの学びを適用し、健全な金銭感覚を持ちながら事業を成長させていくことが期待されます。