Googleスプレッドシート・スライド・Gmail・ドキュメントを自動化するGoogle Apps Script（GAS）の始め方

Googleスプレッドシートは、ビジネスや個人の日常タスクで広く使われているツールです。しかし、反復的な作業や複雑な処理を手動で行うのは時間がかかり、ミスも発生しやすくなります。そこで登場するのが、Google Apps Script（GAS）です。GASを使うことで、Googleスプレッドシートの機能を拡張し、作業を自動化することができます。

この記事では、GASの基本から実践的な使用方法まで、初心者向けに分かりやすく解説します。

1. Google Apps Script（GAS）とは
- GASの主な特徴：
2. GASの基本的な構文
3. GASの開始方法
4. 簡単なスクリプトの作成例
5. スプレッドシートの自動化例
6. GASのトリガー設定
7. GASの活用アイデア
8. 注意点とベストプラクティス
9. まとめ

1. Google Apps Script（GAS）とは

Google Apps Script（GAS）は、Googleが提供するJavaScriptベースのスクリプト言語です。GASを使用することで、Googleの各種サービス（スプレッドシート、ドキュメント、フォーム、Gmail等）を自動化したり、カスタム機能を追加したりすることができます。

GASの主な特徴：

JavaScriptと似た文法で学習しやすい
Googleのサービスと連携しやすい
クラウド上で動作するため、ローカル環境不要
無料で利用可能

2. GASの基本的な構文

GASはJavaScriptベースのため、基本的な構文はJavaScriptと同じです。以下に簡単な例を示します。


function myFunction() {
  var message = "Hello, World!";
  Logger.log(message);
}

function add(a, b) {
  return a + b;
}

GAS特有の機能として、Logger.log()を使ってログを出力できます。また、スプレッドシートに関する操作はSpreadsheetAppクラスを使用します。

3. GASの開始方法

Googleスプレッドシートを開く
メニューから「ツール」→「スクリプトエディタ」を選択
スクリプトエディタが新しいタブで開きます
デフォルトでmyFunction()が用意されているので、ここにコードを書いていきます

4. 簡単なスクリプトの作成例

まずは、セルに文字列を入力する簡単なスクリプトを作成してみましょう。

function helloWorld() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
  sheet.getRange("A1").setValue("Hello, World!");
}

このスクリプトを実行すると、アクティブなシートのA1セルに「Hello, World!」と入力されます。

実行方法：

スクリプトエディタで関数を選択（上記の場合はhelloWorld）
実行ボタン（再生ボタンのアイコン）をクリック
初回実行時は権限の承認が必要です

5. スプレッドシートの自動化例

次に、より実践的な例として、毎日の売上データを集計するスクリプトを作成してみましょう。

function summarizeSales() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
  var lastRow = sheet.getLastRow();
  
  // B2:B列から売上データを取得
  var salesData = sheet.getRange("B2:B" + lastRow).getValues();
  
  // 売上の合計を計算
  var totalSales = 0;
  for (var i = 0; i < salesData.length; i++) {
    totalSales += salesData[i][0];
  }
  
  // 合計をD1セルに出力
  sheet.getRange("D1").setValue("合計売上");
  sheet.getRange("D2").setValue(totalSales);
}